HMD事例:2023年5月5日能登半島の地震の被害

Edafosのサービスの1つである「HMD(Hazard Mapper DISASTER)」の活用事例の紹介です。

能登半島の地震

能登半島では、たびたび群発地震が起きています。
日本時間2023年5月5日には、M6.5、深さ12km、最大震度6強の地震が発生し、人命や建物、斜面に大きな被害が生じました。
この地震について、Edafosが開発した手法(詳細はコチラ)で、SARデータから被害箇所を抽出しました。
使用した衛星画像はSentinel-1です。

被害箇所

図は、珠洲市がメインです。被害箇所は黄緑色ですが、住宅地の広範囲に被害が及んでいるのがわかります。
ただし、注意があります。
「衛星から見て地表で変化のあった箇所」を抽出しているため、下記のような箇所が黄緑色になっています。
【地震に伴い変化した箇所】
・倒壊した建物
・傾いた建物
・全体的に屋根がずれた建物
・形が変わった道路
・地すべりを起こした斜面
・地すべりの土砂が覆った箇所
・液状化した箇所
【地震と直接の関係がなく変化した箇所】
・波の打ち寄せて浜辺の形が変わった箇所
・田に水を引いた箇所
・工事している箇所
・がれきなどを積んだ箇所
・車、電車、コンテナなどが頻繁に入れかわる箇所

(背景の地図はgoogle map)

HMDの活用方法と注意

調査範囲をふるいにかける

地震があった際のHMDのもっとも便利な活用方法は、人が動く前にまずHDMで被害箇所を抽出し、さらに、被害範囲の大小(HDMで色がついた範囲の大きさ)で、実態調査の優先順位づけをする、という方法です。これにより、労力・時間・経費の削減につながり、復旧・復興へそれらを温存できます。

目視ではわからない被害箇所を突き止める

地下で地盤の砂泥と水が混ざり合って緩くなり、地上に吹き出すと液状化だと目で見てわかりますが、地上に吹き出さずに目視ではわからないが地盤が緩くなっていることがあります。この場合、緩んだ地盤はゆるりと傾斜していることがあり、このような現象を抽出するにはHMDがもってこいです。放置してしばらくのちに被害が出る前に手当てするかどうかを決めるのに役立ちます。

注意事項

HMDは、「衛星から見える箇所(≒地表)の性状に変化があった箇所」を抽出します。そのため、工事中の箇所や、駐車場や港湾など、車やコンテナが日々めまぐるしく動いている箇所も抽出してしまうことに注意が必要です。
(2023年5月30日記)

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