HMD事例:北海道胆振東部地震の被害範囲

Edafosのサービスの1つである「HMD(Hazard Mapper DISASTER)」の活用事例の紹介です。

北海道胆振東部地震

北海道胆振東部地震は、日本時間2018年9月6日午前3時過ぎに発生した内陸型(=活断層型)地震で、震源は北海道胆振地⽅中東部(北緯42.7度、東経142.0度)・深さ37km、地震の規模はマグニチュード6.7で、地上では最大震度7を記録しました。被害は広範囲に及び、なだらか斜面の地すべりと液状化被害が特徴的でした。

この地震について、Edafosが開発した手法(詳細はコチラ)で、SARデータから被害箇所を抽出しました。

解析結果の全景がこちらで、赤い箇所が被害が甚大だった箇所です。

(注:当社基準で、解析結果の信頼性が高い箇所のみを表示しています。)

画像範囲は、北は石狩湾から南は苫小牧港までなので、被害がとても広範囲に及んだことがわかります。

液状化箇所の抽出

都市部での液状化被害が大きかった地震ですので、その部分をクローズアップします。

液状化を含む被害のあった箇所は、下図の水色の部分です。正確にいうと、液状化や建物被害を含む「地表(=衛星から見える面)に変化のあった箇所」が水色の部分です。なお、住民の方に配慮し、住所が特定できないよう地形の陰影を示す地図を背景に使用しています。

公的な報告書での液状化の範囲と比較したところ、概ね一致することがわかりました。また、このSARデータ解析結果では、報告書では調査されていないであろう範囲にも被害が及んでいると読み取ることができます。水色が谷筋に沿って配置していることからもわかるとおり、盛土された土地に被害が広がったようです。

HMDの活用方法と注意

調査範囲をふるいにかける

地震があった際のHMDのもっとも便利な活用方法は、人が動く前にまず、HDMで被害箇所を抽出し、さらに、被害範囲の大小(HDMで色がついた範囲の大きさ)で、実態調査の優先順位づけをする、という方法です。これにより、労力・時間・経費の削減につながり、復旧・復興へそれらを温存できます。

目視ではわからない被害箇所を突き止める

地下で地盤の砂泥と水が混ざり合って緩くなり、地上に吹き出すと液状化だと目で見てわかりますが、地上に吹き出さずに目視ではわからないが地盤が緩くなっていることがあります。この場合、緩んだ地盤はゆるりと傾斜していることがあり、このような現象を抽出するにはHMDがもってこいです。放置してしばらくのちに被害が出る前に手当てするかどうかを決めるのに役立ちます。

注意事項

HMDは、「衛星から見える箇所(≒地表)の性状に変化があった箇所」を抽出します。そのため、工事中の箇所や、駐車場や港湾など、車やコンテナが日々めまぐるしく動いている箇所も抽出してしまうことに注意が必要です。

 

(2022年8月9日記)