HMD事例:2023年6月5日ヘルソン(ウクライナ)の洪水被害

Edafosのサービスの1つである「HMD(Hazard Mapper DISASTER)」の活用事例の紹介です。

ヘルソンの洪水

2023年6月5日上流のダムが決壊し、ヘルソンの街の一部が洪水に見舞われ、人物、生物、植生、構造物などに大きな被害が生じています。
この洪水について、Edafosが開発した手法(詳細はコチラ)で、SARデータから被害箇所を抽出しました。
使用した衛星画像はSentinel-1です。

被害箇所

図の半分から左(西)の右岸(川の北側)に広がるのがウクライナのヘルソンです。
街の西部に(図の左下)に水色の点群が広がる地域がありますが、そこが今回洪水被害に遭った範囲です。
その他、河川沿いに水色の帯が点在していますが、そこも浸水しているところです。
画像の右下にも水色の点群が散在していますが、ここにはウクライナの建物がまばらな町があります。
ヘルソン(Kherson)の洪水(flood)
(背景の地図はgoogle map)

なお、「衛星から見て地表で変化のあった箇所」を抽出しているため、見る際には下記の点に注意してください。

【洪水被害をSARデータで見る場合の注意】
・浸水深より高い建物は「変化なし」とみなされるので色はつかないが、洪水被害に遭っていないわけではない。
・工事や、田に水を引いた箇所など、洪水と無関係でも色がつく。

HMDの活用方法と注意

調査範囲をふるいにかける

洪水があった際のHMDのもっとも便利な活用方法は、人が動く前にまずHDMで被害箇所を抽出し、さらに、被害範囲の大小(HDMで色がついた範囲の大きさ)で、実態調査の優先順位づけをする、という方法です。これにより、労力・時間・経費の削減につながり、復旧・復興へそれらを温存できます。

注意事項

HMDは、「衛星から見える箇所(≒地表)の性状に変化があった箇所」を抽出します。そのため、駐車場や港湾など、車やコンテナが日々めまぐるしく動いている箇所も抽出してしまうことに注意が必要です。
(2023年6月12日記)

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