SARによる地表の変化箇所の検出

SARから見て地表の性状が変化した箇所がわかる

衛星データ(SAR)を用いた地盤変動解析』のページで、SARでは「どの場所が何年間(ヶ月)で何mm沈降(隆起)したかがわかる」と書きました。

(そもそもSARって何?を知りたい方は、Solid Earth Channelの『SARってなんだろう?』をご覧ください。)

これとは別の解析手法を使うと、「地表のどの場所の性状が変化したか」がわかります。
「性状が変化した」とはどういう箇所かというと、例えば、下記のようなものです。

  • 洪水で住宅地が浸水し水浸しになった箇所。
  • 道路に土石流が流れ込み土や石が堆積した箇所。
  • 駐車場だったところに土砂崩れで落ちてきた土砂が堆積した箇所。
  • 液状化でガタガタになった町
  • 巨大地震で倒壊した家屋やビル
  • 火山噴火で火山灰が堆積した箇所

いろいろな例が考えられますが、今回、これらを抽出する手法を用いて、ウクライナのキーウとその近郊(主にキーウの北西)について、2022年2月16日に対して、2022年3月24日はどこが変化したかを抽出しました。

SARを使用するメリット

衛星写真やドローンではなく、SARを使用して「地表の性状が変化した場所」を抽出することには、下記のメリットがあります。

  • 天気や明るさに左右されない。
  • 1回に最大で数十km×数十km四方と、一気に広い範囲を確認できる。
  • 衛星写真を目視したのでは変化かどうかを判別しにくい場所も判別できる。
  • 立ち入りできない危険な場所でも、人が行かずに被災箇所を特定できる。

以上のような性質から、復興・復旧を進めるのに役立ちます。

使用画像、解析範囲

■使用画像:Sentinel-1
■解析範囲

(背景地図:google map)

閲覧上の注意

ここから、解析結果を掲載します。結果を閲覧するに当たっての注意事項を記します。

  • 地表の性状が変化した箇所(建物が崩れたり崩れた建物が散乱した道路など)は水色のドットで表現しています。
  • よけいな情報が載らないよう、厳しめの閾値を設定して解析しています。
  • 性状が変化した原因まではSAR解析ではわかりません。
  • 性状が変化したことはわかりますが、何から何へと変化したかを特定することはできません。
  • 建物などの倒壊ではない原因で水色がついている場所もあります。

解析条件次第で解析結果は変化します。参考のため、厳しめ条件から緩めの条件まで、3段階での解析結果を掲載します。

■厳しめの条件での解析結果(背景地図:google map)

■中くらいの条件での解析結果(背景地図:google map)

■緩めの条件での解析結果(背景地図:google map)

次項では、上記3つの条件のうち、中くらいの条件で解析した各都市の結果を掲示します。

各都市の拡大図

■キーウ(Київ ; Kyiv)(背景地図:google map)

■イルピン(Ірпінь ; Irpin’)(背景地図:google map)

■ボロジャンカ(Бородянка ; Borodyanka)(背景地図:google map)

■ブチャ、ホストーメリ、ホレンカ(Буча, Гостомель, Горенка ; Bucha, Hostmel’, Horenka)(背景地図:google map)

以上です。

(お問い合わせはコチラの問い合わせページからお願いします)